女子高生向け理系進学イベントで,うちの女子大生に出演を願うことがあるのだが.

これが学生本人もだが,指導教員に気を使う.当たり前と言えば当たり前だが.

教員によって色々受け止め方があるからだ.しかも大抵ネガティブな方に色々.

余計な仕事を学生にさせるのがいや,(そして何と言っても)余所の講座の下っ端教員に縄張りを荒らされるのがイヤ,で,学生に頼む前にもろいやな顔する教員が多い.
こっちだって学生さんに「余計な」おしごとお願いするのは心苦しいんだけどね.

一方で,研究と違って気楽に自分の経験談を人前で話す機会を喜ぶ学生もいる.それでも教員は上記理由から必要以上に渋い顔したり,場合によっては本人の意図も無視して断るケースも.親心なんだろうけど.

 ただ今回とても気になっているのは,女子学生に「特に」気を使っているんじゃないかってこと.

昨今のアカハラ意識向上で萎縮した教員が学生に異様なほどこびへつらう様が見られるが,ホモソな工学部では,特にそれを彼らにとって不慣れな存在の女性学生にやってる向きがある.

彼らにとっては「女子学生は男子学生と違う」を前提とした特別な配慮なのだろうが,そこに本人の特性や希望は加味されず,「女の子だから」の思い込みでやっている節がある.

 結局それは彼女たちにには機会の損失となる場合がある.それも立派な「女性差別」だ.

男子学生と同じ事をさせよ,と言うのでは無い.同じだけ期待し,同じように機会を与えよ,と言うことだ.お客様=学生は神様とばかりに,特に女性客は何が地雷か分からんしうるさいから,はいはい言っとこう,とそういうことでは無い.

 それは彼女たちの成長のチャンスを奪っていることにならないか?意識がオッサンな教員達は,それに気付いて欲しい.

そして,その様な過剰な配慮は,教員の負担にもなり,まわりまわって「女子学生は面倒だから引き受けたくない」となっていく.彼女たちが悪いわけじゃないのにだ.

どうせ配慮をするのであれば,そういう思い込みによるちぐはぐな「優しさ」という名の媚びへつらいをするくらいなら,彼女たちの特異性を活かして認めてエンカレッジするくらいの事をすべきであろう.勿論,本人がやる気があるか聞いた上でだ.

もちろん,アカハラ提訴を過度に恐れる教員を都合良く利用して楽して卒業しようという学生も一定数おり,一方でそういう事例で他教員の足を引っ張ろうとか,学科間の政争の具にしようとか,単に他人の不幸は蜜の味,という教員もいる.

だからこそ守秘義務を課し一定の強制力を持つ第三者窓口を作れってずっと訴えてるんだYo!

あと,おばちゃんにはなに言ってもいいと思っている輩も浮き彫りになった.セクシズムにエイジズム,救いが無いぞ.

女性の生来の特性が「しなやか」なわけじゃないでしょ

女性の方が往々にして適応力が高いとは思ってるんですが,それって,持って生まれた能力じゃ無いんじゃないかな〜という気がしてます.

女性の場合,男性のように一家の大黒柱!とか家を継げ!とか周囲に過大に期待されない一方で,往々にして自分の意思で自分の人生決められない,ということを子供の頃から学習してるんじゃないですかねえ.よくも悪くも与えられた境遇でやるしかないよね〜とすり込まれている分,柔軟性があるというか.

元々周囲の期待値が低いのに加え,今は昔より自由度が増えたんで,その適応力がこういう所に活かされているという・・・^.^;

パスポートに旧姓併記が出来るようになったというので,今回更新を機にチャレンジしてみた.

が,別名併記の例を見ると,外国籍のmiddle nameや外国名の併記の例は書いてあるけど,旧姓の場合の記入例(まあ同じなのだが)は無い.県の旅券センターのサイトも然り.必要書類も案内が無い
.で,ググったら,神奈川県の旅券センターには旧姓併記の記入例と必要書類例が書かれていた.

 別姓併記無しに加えて準備すべきは,旧姓である事を証明する書類と,海外で旧姓を使用していることを証明する書類
.と言うわけで,戸籍謄本(旧姓の証明)と旧姓使ってる最近の国際雑誌の掲載論文(海外で使ってる証明)を持っていった.念のため,国際会議の概要集のコピーも.どちらも英語.

 窓口に持っていったら,論文と概要集に日本語で内容の説明を簡単に書いてくれ,と言われ.記入
.果たして一週間後,無事旧姓が( )で併記されたパスポート入手.しかし,あくまでも写真欄に併記されているだけで,ICチップには旧姓(別名)情報は入っていないとのこと.つまり,航空券の購入時にパスポートネームを記載する際は,( )は除く.

 うん,webでチケット購入の際”( )”は使用不可だったんでどうするんかと思ってたらそういうことか.

 更に,入国審査の際,( )は何かと管理官に聞かれることが多いと言うことで,英語と日本語で別名併記を説明したリーフレットを渡された.
 ここで・・・何か,わざわざ面倒臭いことしちゃったな,という気がしてきた.

 旧姓併記にしたのは,旧姓で仕事しているからというのが一番の理由だが,好奇心も若干.手続き自体は多少面倒が増える程度とも言えるが,今後10年間,海外に行く度いちいちいちいち( )は旧姓です,と説明せにゃあならんのか.まあ分かってはいたのだが.( )なんて,国際ルールじゃ無いからな
. あともひとつ気になるのは,パスポートへの別名併記には,「海外で」旧姓(別名)を使用していることを証明せねばならない,と言うこと.

 つまり,これから海外で旧姓で仕事しようとしている人は(例え国内で旧姓を使用していても),パスポートに併記は出来ないって事なのか.これについては,海外でのIDと考えれば,多少分からんことも無いが,国内で旧姓で通しているなら,海外でも旧姓OKでよいのじゃ無いだろうか.

マイナンバーや免許を旧姓併記してたら,パスポートも海外使用実績無くてもOKになるのかな.
 何にせよ面倒なので,夫婦別姓OKにするか,姓の欄を複数にするとか,middle name欄をもうけてくれ.

 戸籍謄本取り寄せも地味に面倒い.昔の藩制度じゃあるまいし,本籍地って居る?住民票で課税すんだし,住民票だけでよくね?

 出身地や親子関係も住民票に書いとけよ.大体出身地なんて,結婚して新たな戸籍作った時点で変わっちゃうし。

「STEM分野に進学する高校生が何故少ない」

「STEM分野に進学する高校生が何故少ない」

というデータとか議論とか,アカデミアに残る女性が少ないのは何故とか,と言う話はあるけれど,ロールモデルがいないとか物理や数学が苦手,と言う話になっちゃうんですよね.ある意味「女性側に原因」的な.それらは確かにメジャーな理由の一つでしょうけど・・・

そもそも「なんで自分らの分野は女性に受けないの?苦手なの?」とか,「自分らの仕事,そんなに魅力的に見えないの?」とか,ロールモデルがいないのはそもそも何故か?(女性が少ないから,ではなく,今の女性教授が少ない状況は何故なのか?)という,「こっち側に原因は無いのか?」という主体的視点が欠けてる気がしてまして・・・

 いやそういう視点を個々にお持ちの方は沢山いらっしゃるのも事実で,議論もエビデンスも解決策も提示されてるし,それに沿って委員会でも色々施策を打っているわけですが・・・

 しかしながら,業界的には現状維持バイアスが働くのか,消極的賛同というか,自分事になりそうな部分は小さく扱われている,自分事として受け止められず,結果的に回り回って女性側の所為になっている気がしてます.

 まあ,既にここ(STEM分野)にいる人間にとっては,どうして彼女らがここを選ばないのか本質的に理解するのは難しいですし,結局こっち側に今いる人は今のカルチャーの勝ち組な訳で・・・自分に益をもたらしてくれた現カルチャーをわざわざ改変するには勇気がいるし,そもそも必要性も感じないというのはあるかと思います.

 あったとしても結果的にやるべきことは(無い場合と)一緒かなとも思うのですが.